こんにちは!CATER(ケイト)です。
今回は、千野栄一著「外国語上達法」から学んだことを紹介していきます。
英語を何年も勉強しているけれど全然上達しない
新しい外国語を覚える時に気をつけることって?
外国語を勉強するときのコツって何?
英語ペラペラ、憧れますよね。他言語も話しちゃう人には本当に尊敬します
著者は周りから「あなたは語学がよくできる」と言われ続けていたことに違和感を感じ、ついには「あなたはポリグリット(多言語話者)だ」と言われてびっくりしたそう。
自分が思っている自分の外国語レベルと、周りが著者に貼ったレッテルとは大きな隔たりがあったのです。
なぜ周りが自分にそのような評価をしたのか。
世間一般が思う「外国語が話せる人」は、本当に”話せる”のだろうか。
そのギャップを明らかにしたのが本書です。
そして、ハードルが高いと思われた言語習得も、「これなら自分にも習得できるかも」と思わせてくれるほど、何から手をつければ良いのか、どれほどの努力が必要なのかを解説してくれています。
かのデカルトが言ったとされる「困難は分割せよ」。
この言葉のとおり、本書には語学習得とは必要以上に構える必要はないのでは、と心のハードルを下げてくれる力があります。
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それでは本題に入ります!
何年も外国語(特に英語)を勉強しているが、上達しない
英語の必修化は2011年からスタートしたそうで、つまり2000年以降に生まれた人は皆小学校で週1回の英語の授業を2年間しているそうです。
私はそれ以前の生まれですが、確か同じく5年生から、1ヶ月に1回くらいだったかと思いますが英語の授業をやった気がします。
しかし、何年英語を勉強していても、一向に上達しない、上達している実感がないという人は少なくないのではないでしょうか。
私の場合、高校の途中までは比較的「得意」だったのですが、すっかり上達のペースが止まってしまい、そのまま社会人になってしまいました。
もっと上手くやっていれば、英語を活かした道に進めていたかもしれません。
英検だとか、TOEICだとかで、もっと良い成績を残したかったと悔やまれました。
著者は、外国語習得において重要なのは、「そもそもなぜその言語を勉強するのかを明確にすること」であると述べています。
少なくとも私にとっては、他の教科に比べて比較的成績が良かったから、また、検定をとっておけば将来的に何か役立つだろう、くらいの気持ちで勉強を続けていました。
しかし、いくら勉強してもなんだか暗記重視で無機質で、長々と書かれた英文を読んでも内容に興味が出ず、思えばそう感じた辺りから成長が止まった気がします。
社会人になり、一時期また英語の勉強でも再開してみるか、と思った時期もありました。
しかし、本書に出会い、その考えが変わりました。
というのも、少し話が変わりますが、以前私は大学の卒業旅行でミャンマーに行きました。(軍政になる前。ギリセーフでした!)
海外は高校の時のハワイ以来2度目で、自分で日程を立てた海外旅行は初でした。
日本語は通じない異国の地。
そんな状況で、公共交通機関、観光地、宿泊施設、全て我が身の英語だけでコミュニケーションが取れたのです。
それまで、大学の授業で外国人留学生と英語で会話する機会もありましたが、それとは違う”本番”感。
どれも中学英語で足りるような簡単なやり取りだけでしたが、とても楽しかったのを覚えています。
また、今の仕事でも、たまに英語を使う機会があります。
そんな時でも、難しい単語など不要で、十分に会話することはできるのです。
話を戻しまして、なぜその言語を勉強するか、その意味を明確にできないのであれば、外国語の勉強は上達し難いのです。
私の状況で言えば、それだけできるなら、それで満足でいいじゃないか、と気付くことができました。
特にこの先本気で英語を扱ったり海外移住するつもりはなく、かといって海外旅行はまた行きたい程度。
また少し勉強すれば日常会話くらいなら問題ない程度の語学力はすでに備えており、もう十分では?と思えるようになったのです。
勉強するにも、「目的派」と「手段派」があると、著者は言います。
目的派とは、言語を習得すること自体を目的とすること。
ただ英語を話せるようになりたいとか第二外国語を習得してみたいでは、挫折する人の方が多いのです。
何の目標、必要があって外国語を学ぶというものがなければ、その勉強時間はただの人生の無駄になってしまいます。
ただ使い所もないままに勉強を再開しようとしていた私がまさにこれでした。
やり遂げるためには、「手段派」である方がその成功率は段違いです。
英語を勉強して、良い大学に合格する!
英語を身につけて、海外で生活しながら仕事をする!
自分の人生において、外国語の重要度はどれほどを占めるのかを知る必要があるのです。
「目的」ではなく「手段」として外国語を身につけようとする意思があるのか。
闇雲にただ「大事そうだから」と勉強するのではなく、まず「そもそもなぜその外国語を勉強するのか」という出発点を明確にすることで、そもそもの上達の要否がわかるのです。
新しく外国語を勉強する時に気をつけるべきこと
中には英語のみならず、中国語や韓国語、フランス語、スペイン語などに興味を持つ方がいるかもしれません。
ここでも、「ただ覚えておきたい」という”目的派”ではなく、「半年後に旅行に行って自分で話す」などの”手段派”であることが重要です。
そして、いざ机に向かって勉強開始!
といきたいところですが、ここでも一呼吸置きましょう。
心得ておくべきは、「必要なだけの語彙、量を絞る」といったものです。
初心者用の単語集、会話集を網羅する、というのは、基礎的なことを学べるので良いかもしれません。
しかし、学ぶ内容が”本当に自分に必要なものか”をしっかりと選び、不要そうであれば切り捨てることも、効果的な上達には必要です。
例えば、建造物とグルメを主とした旅行なのに、スポーツの名称だとか、旅先で使わないだろう家電製品の名前を覚えても意味なく終わってしまうでしょう。
それよりも、道の聞き方とか、お金の払い方とか、交通機関の乗り方とか、自分にとって重要度の高いものを重点的に選んで覚えることで、本番のコミュニケーションも上手くいくのです。
著者は、ある観光地のホテルウェイターのエピソードを紹介しています。
そのウェイターは、様々な言語で質問されることについて、スラスラと答えていたと言います。
しかしその実、料理についての受け答えのみを理解していたのであり、一度話題がお店の外に出ようものならお手上げの様子だったそう。
ここに、語学習得のヒントがあるのだと著者は言います。
素人目に見て「すごい!外国語で会話している!」とか「あの人何ヶ国語も話せる!」という人も、母国語レベルにまで話せるのではなくて、ちゃんと自分に必要な分だけを選んで覚えているのです。
また、”1000語の重みの違い”というのがあります。
例えば5,000語を覚えた人が努力して6,000語まで増やしたとして、その使用頻度はせいぜい数%です。
しかし、0からの1,000語は語学習得において爆発的な成長があります。
増やしていくたびにどんどんマイナーになってしまうのです。
だから、自分が必要としている語彙はどういったもので、どれだけの量を覚えればいいのかを明確にしておくと、無駄のない勉強が可能になります。
それを、範囲もろくに定めず曖昧なまま続けてしまうと、結局はおざなりのままに終わってしまうのです。
外国語を勉強する際のコツ
以下に紹介するのは、外国語習得に限らず勉強全般に言えることです。
勉強する時のコツは「薄い本を何冊もやる」ことだと著者は言います。
これは、最初から勢い付いて厚い本を選んでしまうとどうせ途中で力尽きてしまうので、何冊もクリアして力をつけていくべし、というもの。
著者はこれを「飛行機」に例えており、「飛行機が安定して飛び続けるには余裕を持って次の補給地に飛ぶだけのエネルギーを蓄えておかなければならない」のと同じで、勉強も余力を残せる程度の教材をこなすことで遠くに飛ぶことができるといいます。
また、先の「必要な範囲を絞る」とも似ていますが、試験でも旅行でも、必要以上の勉強は悪手なのです。
初歩に限らず、様々な活用形だったり大量の単語を覚えようとするのは、「ゴキ○リにミサイルを準備するようなものだぞ」と、その大袈裟さにツッコミを入れています。
語学の話とはそれますが、本書にはこのような上手い「例え話」が所々にあるのも面白かったです。
そして、最後にもう一つ。
人は努力する限り間違いをするものであり、話せば間違えて恥をかくこともあるが、黙っていたら何も上達しない。
ゲーテの言葉を引用しながら、失敗することの大切さを伝えていました。
まとめ
1|何年も外国語(特に英語)を勉強しているが、上達しない
→ そもそもなぜその言語を勉強するのか、自分に必要なのかを考える。言語習得は「目的」ではなく「手段」にする。
2|新しく外国語を勉強する時に気をつけるべきこと
→ 必要なだけの語彙、量の範囲を決めてから勉強をする。外国語ペラペラの人も実は自分に必要な分だけを覚えている。
3|外国語を勉強する際のコツ
→ 薄い本を何冊もやって継続する。間違いを恥じて挑戦しないことがないように。
以上で千野栄一著「外国語上達法」の紹介を終わります。
いかがでしたでしょうか。
今はスマホで外国語を一瞬で翻訳できるので、一切会話ができずともやりとりすることが可能です。
しかし、やはりコミュニケーションというのは、相手の目を見て、自然とできるのが最上です。
ですので、私は外国語勉強についてはとてもポジティブで、これからも重宝される技能だと思っています。
私自身、超簡単ではありますがポルトガル語も勉強したので、いつかはブラジルなんて行ってみたいなと思っております。
将来的にもしも余裕ができたら、スペイン語やフランス語なんかもかっこいいですよね。
ロシア語とかも重宝されそう。
その時は”目的派”にならないよう、気を付けなければなりませんね。(笑
今回紹介した内容は書籍のほんの一部に過ぎず、まだまだ沢山の知識、知恵、アドバイスなどが掲載されていますので、是非実際手に取って読んでいただきたいと思います。
もしかしたら、あなたの悩みをダイレクトに解決する何かと出会えるかもしれません。
そうそう、最後に。
本書の中で、虚をつかれた一言を。
「何年も英語を勉強してきた方へ。アメリカで犬や猫につける名前をいくつ知っていますか?」
SS(書籍最高)!
それではまた。
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